御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居

そんな生活が一週間続いた日。
久しぶりに定時に仕事を終えた淳也さんと一緒に、病院に向かった。

今日は正幸さんのオペの日だ。


十五時からのオペに付き添うために、今日は桑田さんは欠勤だった。
オペ室の前まで行くと、桑田さんが真っ青な顔をしてベンチに座っている。


「桑田」

「一木さん……。蓮川さんも来てくれたの?」


彼女は私たちを見つけて、ほんの少し表情を緩める。
心細かったのかもしれない。

その奥にはおそらく正幸さんのご両親。
淳也さんは知っているらしく、挨拶に行った。


「蓮川さん」

「はい」


桑田さんとふたりになると、彼女のほうから口を開く。
あの一件以来、仕事のこと以外で話すのは初めてだった。


「あなたにはひどいことをして、ごめんなさい」


突然謝られて焦る。


「いえ、大丈夫ですから」


そりゃあ、彼女の言葉が痛くて、泣きそうになったこともある。
でも、今はもうなんとも思っていない。
< 312 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop