御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
私が承諾の返事をした瞬間、彼はテーブルの向こうから身を乗り出してきて……唇を重ねる。


「じ、淳也さん、こんなところで……」


皆、見てるのに。
慌てふためく私とは対照的に彼は余裕の笑みを浮かべ、口を開く。


「知らしめたいんだ。英莉は俺のものだって」


私は恥ずかしくてうつむいた。
そしてうつむいた瞬間、感激の涙が一粒こぼれた。


「それから、これ」


そして彼は私に飛行機のチケットを差し出した。


「二泊三日、カニ三昧。あっ、寿司もつけるぞ」

「北海道?」

「そう。俺の両親に会ってくれ。浜松にもいかないとな」


まさか、こんなことまで用意しているとは……。


「津川が脅すんだよ。アイツ、俺たちのこと感づいてたみたいで……」


やっぱりそうなんだ。


「社長になったら、しばらくまとまった休みは取れないぞって。だから、有給取ってきた」

「ホントに? でも、私は……」


取った覚えはない。


「あっ、さっき決済しておいたから。まぁ、偽造とも言う」


彼はクスクス笑う。
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