御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「さっき電話が入って、是非蓮川さんを欲しいって言われてね」


一木さん? 
本当に仕事が早い。


「うちとしても蓮川さんは大きな戦力だったから引きとめたいところだけど……蓮川さん、チャンスだもんね。頑張って」

「すみません、ありがとうございます!」


私は今までお世話になったお礼をして、業務に入った。

その日の仕事は十七時まで。
土日は客足も多く、ヘトヘトになる。

今日で最後にしてもいいと言ってくれた店長にもう一度お礼を言ってプレジールを出ると、「蓮川」と一木さんの声がした。


「あれ、仕事ですか?」

「いや、迎えに来た」


彼は近くに停めてあるBMWを指差す。

『迎えに』って……こんなにいい男が、あんないい車で?
夢でも見ているかのようだ。


「顔色はいいな」

「はい。もうすっかり元気です」

「それじゃ、乗って」


促され車に乗ると、彼はすぐに発進させた。
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