御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
スーツ姿とは違い、淡いイエローのシャツとジーンズというラフな服装。

でも、それもまた似合っていて、彼が着ると上質に見える。
いや、多分上質な物だろう。


「店長に電話をしてくださって、ありがとうございました」

「あぁ、引き抜きだから、筋は通しておかないと」


引き抜き? 
私、引き抜かれるほどの人材じゃないよ?


「朝食、うまかったよ」


驚いていると、彼は平然とした顔で言う。


「食べてくださったんですね。一木さん、働きすぎじゃないですか? ちゃんとベッドで眠られては?」


大きなお世話かもしれないけれど、やっぱり黙っていられない。


「あぁ、癖で」

「癖って、いつも?」

「海外とやり取りすると時差があるから、時々かな。そんなことはいい。とりあえず、蓮川の生活の基盤を作るぞ」


私の生活の基盤?


「どういうことですか?」

「あれだけしか荷物ないんだろう? 生活に必要な物を買いに行く」

「いえっ、ひと通りはありますよ?」
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