御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
彼はそれから、私が入ってもいいの?と思うほどの高級ブティックで、数着の洋服を私に持たせた。

チラッと値札を見ると、ブラウスだけでも一枚二万円超えている。
こんなに高い物を買ってもらったら、一生奴隷よ!

フルフルと首を振り、店員にわからないように彼に『いりません』と伝えると、彼は私の耳元に唇を近づけてきて……「どうしても俺に恥をかかせたい?」とつぶやく。


「そんなことは……」

「それじゃ、決まりだ。これ全部お願いします」


彼はブラウスやスカート、おまけにパンプスやバッグまで持ちきれないほど買ってくれた。


「一木さん、私、こんなに買い物なんてして、倒れそうです!」


車に乗り込むと、正直に告げる。
すると彼はククッと笑っている。


「蓮川が倒れるのは栄養不足だ。心配するな。これは先行投資だ。株と同じ。俺の目に狂いはない」


どういうこと? 
まさか、まったく知識のない私に期待しているの?


「そんな。心配です……」

「それなら、うまい飯でも作ってくれ」


そればかりで私の話など聞いてくれない。
< 41 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop