御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
それから、お洒落な雑貨店でどうやら私のために真新しい食器をそろえ、今朝行ったスーパーでどっさりと食料品を買い込んで、彼の家に戻った。


「はぁ……」


借りた部屋に行き、クローゼットに買ってもらった洋服を並べると、ため息が出る。
ものすごい借金を背負った気分だ。


「大丈夫かな、私」


この洋服に見合うだけの仕事ができる自信なんて、これっぽっちもない。
そもそも未経験の職種なのだから。

けれど、彼のために食事を作るのは思いのほか楽しかった。
彼氏に料理を振る舞うって、こんな気分なのかもしれない。


作ったのはごくごく普通の家庭料理。
サバ味噌と里芋の煮物と、ほうれん草のおひたしに、炒り豆腐。

セレブな彼の口に合うか心配だったけど、彼はパクパク口に運んでくれた。


『おいしい』とは言ってくれないものの、ご飯一粒残さず食べてくれたのを見て、気に入ってくれたのだと勝手に解釈した。


それから、ジャグジー付きのお風呂にも入らせてもらい、超リッチな気分も味わった。

風呂を出てリビングを覗くと、相変わらず彼はパソコンを開いて仕事をしている。
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