君の心を開く方法
ドアを開けて、いつも見る場所。
窓側、前から2番目の席。
あ……いた。
視線の先には、中岡鈴香。
綺麗な黒髪は1つに結ばれていて白い肌。
そして、ぱっちり2重が特徴。
女子と話しているのは、よく見るけど、男子と話しているのは、あまり見たことない。
見たとしても、「これ、落とした?」ぐらいの会話。

オレは、2回か、3回話したことがある。
それも、
『これって鈴香の?』

『うん』
ぐらいの会話。

このクラスは、団結力が高いのか、よく分からないけど、みんな下の名前で呼んでいる。
たとえ話したことが無くても。
それに、男女の仲もいいから、よく話したり、昼休みも男女混合で過ごす日もある。でも、鈴香は、違う。

なんで、男子とあまり話さないんだろう?

いつも、男子とは、壁を作っているのではないかと見ていて、思う。
前に唯斗が明るく話しかけたとき、
『………そっか』で会話終了。

女子とは、楽しそうに、笑って話してるのに…

男子、嫌いなんだろうか。

それとも、何か、過去にあったのだろうか。
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