強引社長といきなり政略結婚!?
こうなったら破れかぶれだ。獣医だろうとなんだろうと、迷っている時じゃない。
言われたとおりうつ伏せになり、潔く下着を少しばかり下ろした。
穴があったら入りたい。
「うーん、赤くなってるねぇ。はい、パンツは上げていいよ」
え? もういいの?
お尻を持ち上げて、下着を履き直す。
「ちょっと失礼するよ」
躊躇いもなく石井さんが私の尾てい骨付近を押した。
「――いっ……」
言葉も出なかった。痛さに身悶える。
「骨は折れてないね」
そう言いながら、今度は腰骨付近に触れた。
確めるように手が動く。
「こっちも大丈夫かな。多分打撲だけだとは思うけど、月曜日になっても痛みがあるようだったら、病院に行ってみなさいな」