強引社長といきなり政略結婚!?

こうなったら破れかぶれだ。獣医だろうとなんだろうと、迷っている時じゃない。
言われたとおりうつ伏せになり、潔く下着を少しばかり下ろした。
穴があったら入りたい。


「うーん、赤くなってるねぇ。はい、パンツは上げていいよ」


え? もういいの?
お尻を持ち上げて、下着を履き直す。


「ちょっと失礼するよ」


躊躇いもなく石井さんが私の尾てい骨付近を押した。


「――いっ……」


言葉も出なかった。痛さに身悶える。


「骨は折れてないね」


そう言いながら、今度は腰骨付近に触れた。
確めるように手が動く。


「こっちも大丈夫かな。多分打撲だけだとは思うけど、月曜日になっても痛みがあるようだったら、病院に行ってみなさいな」

< 106 / 389 >

この作品をシェア

pagetop