強引社長といきなり政略結婚!?

そう言いながらドアを開けた多恵さんが、パジャマから着替えた私を見て目を丸くする。


「……お会いになるお約束をされていたのですが?」

「約束というか……」


なんと言ったらいいのかわからなくて、モゴモゴと口ごもる。


「ともかく、リビングでお待ちになっております」

「……うん」


多恵さんが部屋を出てすぐ、私もあとを追うようにしてリビングへと向かった。
近づくにつれ、楽しそうな笑い声が聞こえる。父と母も中にいるようだ。
ドアを開けると、向かい側にいた朝比奈さんが立ち上がり、すぐさま私の元へとやってきた。


「本当に大丈夫なのか?」


私の顔を覗き込む。まだお尻の心配をしているらしい。


「ほ、ほんとに平気です」

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