強引社長といきなり政略結婚!?

朝比奈さんは、私の両親との会話も難なく弾ませるし、多恵さんの腕前を褒めることも忘れない。本当に抜け目のないところを私に見せつけた。
両親も多恵さんも、そんな朝比奈さんのことをさらに好意的に思っているのは、すぐそばで見ていてわかった。

そして私は三人に盛大に見送られ、なんだか恥ずかしい思いの中、朝比奈さんの自宅へと向かうことになった。


「ブルーレイは持ってきた?」


うちの敷地を出たところで、朝比奈さんがハンドルを切りながら私に尋ねる。


「はい」


バッグを漁り、先日朝比奈さんからプレゼントされた未開封のものを見せた。


「まだ観てなかったの?」

「……そうですね」


プレゼントされた人から一緒に観ようと言われたのに、先に開封するわけにはいかない。本当は観たくてうずうずしていたけれど。

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