強引社長といきなり政略結婚!?
ゆかりちゃんは両手を胸の前で握り締めて、キラキラと目を輝かせた。
「ちょっと待って、ゆかりちゃん。どう考えてもおかしいでしょ」
「なにがですか?」
「なにがって……」
会ってものの数秒で求婚とか、非常識だ。
さっきのサラリーマン、もといコンラッド開発の社長を睨むように見ると、彼がちょうど顔を上げて私と目が合う。美しい形の唇の端が、ゆっくりと上がった。
私にはそれが、なにかを企むかのような笑みに見えた。
即座にそこから目を外し、ゆかりちゃんを見る。
「会ってすぐに結婚しようなんて、普通は言わないでしょ」
頭のネジが一本抜けているどころの話じゃない。十本――いや、二十本は足りない。
「……うーん、まぁそうですけど」
ゆかりちゃんは顎に人差し指を当てて思案顔を浮かべた。