強引社長といきなり政略結婚!?
いつものように階下で待っているだろうと思っていたから、これには本当に驚いた。
「突然ごめん、汐里」
日下部さんからあんな話を聞かされたあとだというのに、彼の顔を見て、私の鼓動が素直に反応する。
朝比奈さんは多恵さんに気づいて、軽く頭を下げた。
「どうしたんですか」
「一緒に行ってほしいところがあるんだ」
部屋に入ってきた彼が、座っていた私の手を取り立ち上がらせる。
慌ててバッグに荷物を詰め込んだ。
「お母様、汐里さんをお借りします」
朝比奈さんは母にそう告げると、手を引いたまま私を家から連れ出した。
いつものように助手席に乗せられ、車が素早く発進する。
胸につっかえているいろんなことを聞く猶予もなかった。
「どこへ行くんですか?」
「パーティー」