強引社長といきなり政略結婚!?

「それはこっちのセリフだよ。……あ、もしかしてコンラッド開発の社長と来てた?」

「あ、うん……」


そうか。浩輔くんもあのパーティーに来たのかもしれない。
ホテル業界の人も集まると言っていたっけ。
見てみれば、浩輔くんもフォーマルなスーツを着ていた。


「どうした? 帰るの?」


入れ違いでエレベーターに乗り込むと、浩輔くんは閉まりかけたドアを手で押さえた。


「うん、帰る」

「……なにかあったのか? 顔色悪いぞ」

「ううん、なにもないよ」


首を横に振り、無理やり笑顔を作る。


「――おい、なんで泣いてんだよ」

「え……?」


とっさに頬に触れた指先が生暖かい。本当に濡れていた。
自分で気づかないうちに泣くなんて。

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