強引社長といきなり政略結婚!?

エレベーターを降りた浩輔くんが、再び乗り込む。


「……どうしたの?」

「どうしたもこうしたもない。泣いてる汐里を放っておけないよ」

「泣いてないってば。欠伸しただけ」


私の苦しい言い訳に浩輔くんは目を細めるようにして笑いながら、私の肩を引き寄せた。
反射的に彼を手で押す。ところが私の力が弱かったのか、浩輔くんはピクリとも動かない。


「ダーメ。離さない。気の強い汐里が泣くなんて、よっぽどのことだから」

「ちょっと浩輔くん! 泣いてないって言ってるでしょ!」


浩輔くんの腕の中でじたばたもがく。
彼はそんな私を軽くあしらいつつ、エレベーターの閉ボタンを押した。


「少しおとなしくしてくれないかな。じゃないと、キスするよ」


――キ、キス!?
浩輔くんの爆弾発言を聞いて、ピタリと動きが止まる。

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