強引社長といきなり政略結婚!?
彼のことを悪く言われたくない。
つい大きな声になる。具合が悪いなんて嘘だと言っているようなものだ。
「私が逃げただけだから」
小さい声で付け加えたひと言に、浩輔くんの眉がピクリと動いた。
「もしかして、ライバル登場?」
浩輔くんの視線が、運転しながらチラッと私に投げかけられる。すぐに前を向いた彼の目は、なにかを確信したかのように細められた。
ギクリとした私の心の内を読まれた気分だった。
「ほらね? 汐里はやっぱり俺と結婚する運命なんだよ」
「勝手に決めないで」
拒否する態度を表すべく、窓の外へぷいと顔を向ける。
「俺の勝手な推測だけど、きっと会長さんが連れてきたんでしょ?」
あまりの鋭さに驚いて、浩輔くんを見た。