強引社長といきなり政略結婚!?

「汐里とアイツがエレベーターの中で抱き合っているのを見た時、俺がどんな気持ちだったかわかるか?」


朝比奈さんの顔が苦しそうに歪む。


「……見てたんですか?」


追いかけて来た様子はなかったのに。

でも、どうしてそんなことを言うの?
朝比奈さんが傷つく理由はない。


「ダメなんだ。汐里のこととなると冷静じゃいられなくなる」


朝比奈さんの右手が私の頬に触れた。
切なくなるような眼差しが、私の胸を苦しくさせる。身動きがとれず、瞬きすることもできない。
止めていた息を吸おうとした時だった。朝比奈さんの唇が、私の唇を塞ぐ。

歯列を割りすぐに侵入してきた舌が、私の口腔内で暴れる。息を吸い損ねた私は、酸素を求めて喘いだ。

いつもとは違う、荒っぽいキス。それは私から理性を飛ばしてしまいそうになる。激しく鼓動が昂り、頭が真っ白になった。

そこで不意に唇が解放され、私の両頬に手を添えた朝比奈さんが至近距離で見つめる。

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