強引社長といきなり政略結婚!?
「汐里はおまけなんかじゃない」
朝比奈さんが吐息で囁く。
聞き間違いかと思った。今まで私の耳に入ってきたことが、日下部さんの言っていることを裏づけているように思えてならなかったから。
私はおまけじゃないの?
本当に?
「藤沢ゴルフ倶楽部がほしかったのは事実だ。それが目的で汐里に近づいたのも」
胸にチクンと痛みが走る。
「ただ、それは最初のきっかけだけ。気づけば汐里に夢中になってた」
熱い眼差しは嘘を言っているように思えなかった。嬉しさに胸が震える。
朝比奈さんが店に忘れた手帳を届けた時のこと。
落馬した時に颯爽と助けにきてくれた時のこと。
一緒に映画を観た夜のこと。
いろんなことが鮮明に蘇る。
「汐里がまだ引き返せるって言うなら、そんなことが言えなくなるようにするまでだ」