強引社長といきなり政略結婚!?
「ひゃっ」
朝比奈さんは私の膝の裏に手をあて、突然抱き上げた。
驚いて両手を胸の前で軽く握る。
暗がりの中、私を抱いたままログハウスの奥へと突き進んでいく。
いくつか並んでいるドアのひとつを開けて中に入ると、大きなベッドに私を横たえた。
男性経験のない私にも、この状況がどういうことかはわかる。心臓が今にも飛び出してしまうんじゃないかと思うくらいに暴れ出した。
彼が私に覆いかぶさる。朝比奈さんは片方の肘を突き、もう片方の手で私の髪に触れた。指先で愛おしそうに髪をすく。
「引き返せる? 引き返せない?」
もしも引き返せないと素直に言ったら、朝比奈さんはこのままなにもしないのかな。
……って、やだ私、なにを考えているんだろう。この先を期待している自分に気づいて、恥ずかしさが込み上げる。
頬が急激に熱を持った。
朝比奈さんから目を逸らす。
「どっち」
彼が急かすように聞き、私の顎に手を添えて無理に目を合わせた。