強引社長といきなり政略結婚!?
「会長は絶対に俺が説得してみせる。だから、汐里も俺を信じて」
「はい……」
「藤沢ゴルフ倶楽部買収の条件も、もう一度検討し直してみるから」
彼の力強い言葉が私を奮い立たせる。
朝比奈さんが本気で立ち向かうのなら、私だって。絶対に朝比奈さんとの未来を掴む。
「――あ!」
思わず大きな声を上げて、私は体を起こした。
「どうしたんだ」
「今、何時ですか?」
両親も多恵さんも、きっと心配しているだろう。
朝比奈さんは手を伸ばして、ベッドサイドに置いた腕時計をつかみ取った。
「十時過ぎてる」
そう言いながら、彼は“しまった”というように髪を手でかき上げた。