強引社長といきなり政略結婚!?

ふたりのやり取りをぽかんと眺める。


「汐里、よかったな。これでうちのほうの問題はなくなったよ」

「……ほんとに? あの孝志おじさんが折れてくれたの?」


コンラッド開発とのことは認めないと、強硬な態度を貫いていたはずなのに。


「そうなんだ」

「突然どうして?」


孝志おじさんがそんな簡単に意志を曲げるなんて。


「藤沢ゴルフ倶楽部の代表権を譲ることにしたんだ」


父は大きく息を吐き出してから、穏やかな表情で言った。

代表権を……譲る……?

落ち着き払って言うような内容じゃないだけに、すぐに理解できなくてポカンとしてしてしまった。
それはつまり、父が社長の座から降りるってこと!?
遅ればせながらそうだと気づき、ソファで身を乗り出す。

< 275 / 389 >

この作品をシェア

pagetop