強引社長といきなり政略結婚!?

◇◇◇

翌日、私は五時に目が覚めた。そんな早朝にアラームなしで起きられることのない私が、だ。緊張して眠りが浅かったせいかもしれない。
それなのに寝不足という感じはまったくしない。それどころか、気持ちが急いてしまって、早く動きたくて仕方がなかった。

日下部さんから連絡が入ったのは、昨夜の九時過ぎ。『無謀なことにチャレンジしますね』というのが、彼の第一声だった。
日下部さんの忠告をなにひとつ聞かない私に、多少なりとも苛立ちがあるのかもしれない。『本当に物わかりの悪い人ですね』とまで言われてしまった。

もうこの際、なんと言われようと構わない。とにかく私は、勝つことだけを考えようと、改めて強く思った。

対決の会場は、なんとうちのゴルフ場。
セミプロ相手の私に対する、おじい様の恩情らしい。
プレー経験のあるゴルフ場で勝負をしたとしても、私に勝ち目はないと言われたようで、それもまた私を奮起させることだった。
私は意外と負けず嫌いみたいだ。

今日入っていたアルバイトは、休みの予定だったゆかりちゃんに急きょお願いできたし、あとは万全の態勢で臨むのみ。

シャワーで身を清めてバスルームから出ると、いつも六時起きの多恵さんが朝食を作って待っていてくれた。願かけのつもりか、かつ丼だった。

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