強引社長といきなり政略結婚!?

そしてベッドから降り、腰を直角に折り曲げる。


「ごめんなさい!」

「……え? なんで汐里が謝るんだよ」


立ち上がった一成さんが私の肩を引き上げる。


「私とあんな勝負をしなければ、倒れたりすることはなかったかもしれません」


一成さんと私のことで心労が重なった上、八十近い歳でゴルフの勝負に挑むことになってしまったから。心筋梗塞は、きっとそんなストレスが原因に違いない。
一成さんの大切な人を私が殺してしまうところだった。


「顔色だって悪かったのに、それを気にも留めず無理をさせてしまいました」


一成さんの顔を見られずに俯く。


「日下部から聞いたよ。汐里が会長を運んでくれたんだって?」

「カートが動かなくて……」

「ほんと汐里は無茶なことばっかりだ」


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