強引社長といきなり政略結婚!?
「まだ間に合うんじゃないの? 来週の日曜日に結納だって」
「……どうして汐里がそれを?」
浩輔くんは面食らったようだった。
私がチラッと振り返ると、多恵さんが「家政婦協会で噂を耳にいたしました」と代わりに答える。
「迎えに行ってあげたら? きっと彼女も待ってると思う」
ふたりにどんな経緯があったのかはわからないけれど。無理やり引き離されたのなら、彼女だってつらい思いをしているはず。
浩輔くんは目線を下げて唇を噛みしめた。
「やる前から諦めないで」
私が無謀にもセミプロとのゴルフ対決に臨んだように、浩輔くんにも果敢に立ち向かってほしい。
「私にした時みたいに、無茶なことをしてきたらいいと思う」
「……無責任に俺をたきつけるなよ」
浩輔くんは鼻先で笑ったけれど、その目にどこか力が宿ったようにも見えた。