強引社長といきなり政略結婚!?

「まだ間に合うんじゃないの? 来週の日曜日に結納だって」

「……どうして汐里がそれを?」


浩輔くんは面食らったようだった。
私がチラッと振り返ると、多恵さんが「家政婦協会で噂を耳にいたしました」と代わりに答える。


「迎えに行ってあげたら? きっと彼女も待ってると思う」


ふたりにどんな経緯があったのかはわからないけれど。無理やり引き離されたのなら、彼女だってつらい思いをしているはず。
浩輔くんは目線を下げて唇を噛みしめた。


「やる前から諦めないで」


私が無謀にもセミプロとのゴルフ対決に臨んだように、浩輔くんにも果敢に立ち向かってほしい。


「私にした時みたいに、無茶なことをしてきたらいいと思う」

「……無責任に俺をたきつけるなよ」


浩輔くんは鼻先で笑ったけれど、その目にどこか力が宿ったようにも見えた。

< 358 / 389 >

この作品をシェア

pagetop