強引社長といきなり政略結婚!?

勝手に盛り上がる三人。私ひとり置いてきぼりだった。


「ねぇ、私の結婚って決定事項なの?」


和気あいあいと話している三人に、ボソッと尋ねる。
六個の瞳を一身に浴びて、なんとも窮屈だ。
しかも、その目に“なにを今さら”といった色が滲んでいるのだから勘弁してもらいたい。


「汐里は嫌なのかい?」


三人が三人とも身を乗り出して私を見つめる。急に水を打ったように静まり返ってしまった。


「嫌もなにも……。私はお父さんを助けたいとは思ってるけど――」

「ならいいじゃないか。なぁ、一成くん」


息を呑んで私の言葉を待っていたくせに、父が遮る。
朝比奈さんの呼び方も、いきなりファーストネームだ。初対面でいきなりフレンドリーすぎやしないか。
彼のほうもまんざらでもない様子で破顔していた。

女子校育ちのおかげで、恋愛と呼べることを経験してこなかった私。

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