強引社長といきなり政略結婚!?
◇◇◇
大きな鏡に写る自分の姿に見入る。
両サイドに編み込みがほどこされ、うしろで緩くアップにされたヘアスタイル。ピンクを基調にした柔らかいメイク。
それは普段の私とは違って、女性らしさに溢れた顔だった。
「朝比奈社長を手に入れるとは、あなたには本当に驚かされっぱなしですね」
私のヘアスタイルの確認をしながらぼやいたのは日下部さんだ。
今日はホテル【ル・シェルブル】で一成さんと私の婚約披露パーティーが行われる日。
二週間ほど前のパーティーの時同様、日下部さんが私のヘアメイクを担当してくれた。
「絶対にうまくいきっこないという私の予測を簡単に覆すんですから」
「悔しい?」
「ええ、そうですね。なにごとにおいても私の予測精度はかなり高いほうでしたから」
きついことを言っている割に彼の頬が緩んでいるから、全然こたえない。
私にいろいろと忠告してくれたのも、日下部さんなりの優しさだったような気がする。
「日下部さん、どうもありがとう」