強引社長といきなり政略結婚!?

「……お礼を言われる筋合いはありませんが?」


日下部さんは戸惑いの表情を浮かべた。


「かわいく仕上げてくれたことに対するお礼ですよ」


私がそう言うと、彼はぷはっというように笑い、「自分でかわいいとか言いますか」と毒づいた。


「汐里、そろそろどうだ?」


ノックもなしに入って来たのは一成さんだった。光沢のあるグレーのタキシードがライトに照らされて光る。
いつものラフな感じと違い、整髪料で整えたヘアスタイルがやけにまぶしくて私は思わず目を細めた。

一成さんと鏡の中で目が合う。お互いにしばらくぼうっとしながら見つめ合った。


「……汐里、ちょっと立ってみて」


一成さんの手を取り立ち上がる。
今日の私は、体のラインに沿ったマーメイドラインの白いドレスを着ていた。肘までのロング手袋は滑らかなシルク。

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