強引社長といきなり政略結婚!?
そこでそうしてしまったら、さらに畳みかけられると思ったからだ。
隣の母も何度も大きくうなずいた。
いくらおっとりとした両親とはいえ、ものの一時間でここまで思わせてしまうのだ。この朝比奈という男は、確かにタダモノではないかもしれない。かなりの“人たらし”だ。
「なぁ、汐里、この話は進めてしまってかまわないだろう?」
再び三人の視線が私へと注がれる。
「……でも私、朝比奈さんのことをまだよく知らないんですけど」
苦しい空気の中、なんとか不満を伝えた。
「なんだ、そんなことか」
父がパッと顔を明るくさせる。
「それならこれから知っていけばいいんだよ。他人なんて、最初はみんなそうだろう? 一成くんのことを汐里が気に入らないはずはないし、安心してお付き合いなさい。なぁ、一成くん」
「藤沢社長、それならお任せください。汐里さんのハートを見事射止めてみせます」