強引社長といきなり政略結婚!?

「――ちょっと、なんですかそれ!」


思わずシートから身を乗り出し、彼に抗議をする。

私はペットじゃない!

朝比奈さんはクククと肩を揺らして笑った。
唇を噛み締め、再びシートに体を預ける。


「他になにか聞きたいことは?」

「……どこへ行くんですか」

「どこにも行かない。そうだな、敢えて言うなら、ふたりの溝を埋める愛のドライブ」

「なんですかそれ」


私は鼻先で笑った。
ただ車を走らせているだけのようだ。


「おっ、初めて笑った」


そう言われて、瞬時に頬を引きしめる。


「今のは、せせら笑ったんです。楽しく笑うのとは違います」


ツンと窓の外に顔を向けた。

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