強引社長といきなり政略結婚!?
午後五時。二月に入り随分と陽は延びてきたものの、すっかり暮れかかった空は西の空に薄っすらと残ったオレンジ色を今にも群青色で塗り替えてしまいそうだ。
「身長は百八十センチジャスト。体重は七十キロ。趣味は――」
「唐突になんですか」
勝手に話し出した彼を見ると、大真面目な顔をしてハンドルを握っていた。
「なにも質問してこないから、勝手に答えてる。趣味は体を動かすこと全般。好きな食べ物は旨いもの。座右の銘は初志貫徹。性格は――」
「強引で豪快」
私が代わりに答える。
彼を表す言葉は、それ以外にない。何事も突然すぎるし、一歩引くという素直なところがまったくないのだから。
「そのとおり!」
否定するわけでもなく、朝比奈さんは“ピンポーン”とばかりに人差し指を立てた。
「もう俺のことを理解してるとは驚きだ。俺が見込んだだけはある」