強引社長といきなり政略結婚!?

断る私に言葉を被せるようにして、日下部さんが冷静に引き留める。


「日下部がいれば大丈夫だ。汐里、行こう」

「社長!?」


一歩足が出た日下部さんを朝比奈さんが制止する。そして私の肩を引き寄せた。


「私なら本当に平気ですから!」


その手を振り解き、足を踏ん張る。


「汐里がどうであれ、俺が送りたいんだ」


強い視線で射抜かれて、瞬間ぐっと言葉に詰まった。
それとは別に違う方向からも刺さるような視線を感じ、そちらを見る。するとその出所は日下部さんだった。
どちらの目も、私が物怖じしてしまうほどに強い。


「で、でも私、自転車ですから」


なんとか反撃する。


「自転車なら車に積めばいい」

< 68 / 389 >

この作品をシェア

pagetop