強引社長といきなり政略結婚!?
この前、私が“連れ去られた”車だ。
セダンのどこに自転車を載せるつもりなのか。
突っ立ったまま見ていると、彼はトランクを開け自転車を抱えた。
「そこに入れて、大丈夫なんですか!?」
車が傷ついちゃう!
思わず彼の腕を掴んで止めたものの、朝比奈さんはそのまま強引にトランクへ自転車を積んでしまった。当然のことながら、前輪は飛び出している。
「よし、これでいいだろう。汐里、乗って」
なんていうことのない顔をして、朝比奈さんは助手席のドアを開けた。
「あのままでいいんですか?」
「入らないから仕方ない。別に問題ないんじゃないか」
車の所有者がそう言うのならいいけれど。
私は助手席に乗り込んだ。
「打ち合わせ、本当によかったんですか」
「部下に仕事を任せられるかどうかで、社長の器は決まるんだ。なんでもかんでも社長が口出ししていたんじゃ、社員は育たない。ワンマンで成り立っていた昔とは違うからね」