強引社長といきなり政略結婚!?
そういえば、朝比奈さんはまだ社長を継いだばかりだと父が言っていたっけ。
「ご病気だったんですか?」
「いや、交通事故で」
「そうだったんですね……」
それじゃ、本当に突然だ。心の準備もできていないところに、社長への就任という大役まで担ったのでは大変だったろう。
つい同情的な気分になる。
「お母様は?」
「小学二年生の時に病気で亡くなった」
「……ごめんなさい。詮索しすぎました」
座ったまま首をすくめる。
余計なことを聞いてしまった。
父親だけじゃなく母親まで亡くしているとは、思いもしないことだった。自分のことに置き換えて考えると、胸が痛くなる。
ふと気づくと、車はハザードランプを点けて路肩に停車していた。
「いや、やっと俺に興味を持ってくれたみたいだね」
「――ち、違います! そういうわけじゃありませんから!」