強引社長といきなり政略結婚!?
◇◇◇
それから一時間ほどして私たちはある場所へと着いた。街から遠ざかった、緑の多い郊外だ。
朝比奈さんがドアを開けてくれた助手席から降りる。
鼻をかすめるのは動物の匂い。看板には【朝比奈乗馬クラブ】とあった。
茶色で統一された建物は、高級感を醸し出している。低い建物は馬の小屋だろうか。その近くには、放牧されている馬が数頭見えた。
「乗馬クラブもリゾート開発の一環なんですか」
「大義で捉えればね。ここ以外に、関東に五ヶ所あるんだ。その中でも、ここは一番の広さを誇る。敷地面積は一万ヘクタール」
今ひとつピンとこないけれど、きっとものすごく広いのだろう。こうして遠目で見てみて、他の施設が見えないことを考えると、ここから目に入るところは全部乗馬クラブといってもいいのかもしれない。
「朝比奈さんのお気に入りの場所なんですか?」
「どうして?」