強引社長といきなり政略結婚!?

私の手を離した彼が駆け寄ると、馬たちが鼻先を彼のほうへ突き出す。よっぽど好かれているらしい。
朝比奈さんの横顔も嬉しそう。普段とはまた違う笑顔だ。
私までついつられて頬が緩む。

しばらく再会を喜ぶと、朝比奈さんが私へ振り返った。


「馬に乗ったことは?」

「一応あります」


お茶や生花と同様、たしなみのひとつとして習ったのだ。
私の答えに彼の顔がパッと華やぐ。
男性従業員に「チャーリーとリンダを借りるよ」と言うと、すぐに乗れるよう準備をし始めた。

そういうわけで、私のパンツルックで来いと指示をしたのか。今やっとその理由がわかった。

外に出された二頭の頬をそっと撫でると、ブルルンと鼻を鳴らした。

かわいいな。つぶらな優しい瞳を見ていると、なんだか癒される。手に吸い付くような毛並。体も手入れが行き届いてツヤツヤだ。

準備が整うと、朝比奈さんは私が馬に乗るのを手伝ってくれた。

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