強引社長といきなり政略結婚!?

「汐里!」


うしろのほうから叫ぶような声が聞こえたかと思ったら、馬の足音とともに朝比奈さんが戻ってきた。
ものすごいスピードの反動か、止まる寸前にリンダは、さっきチャーリーがしたように前足を高く上げて宙を掻くようにしてみせた。
朝比奈さんの美しい手綱さばきに、痛みを忘れてついうっとりとする。まさに白馬に乗った王子様だった。


「なにがあったんだ」


颯爽と馬から下り、朝比奈さんが私の元に跪く。


「チャーリーから落ちちゃって……」

「大丈夫か!? どこを打ったんだ」

「お尻を……」


朝比奈さんが顔をしかめる。


「とりあえず立てるか?」


足を踏ん張ってみたものの、力を入れるとお尻に痛みが走るせいで立てそうにない。
首を横に振ると、彼は突然私を抱き上げた。

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