オフィスに彼氏が二人います⁉︎
その日の業務終了後、私は約束通り、久我くんといつもの居酒屋で待ち合わせし、いつものようにカウンター席でビールを飲みながら時山部長との一件を改めて聞いてもらっていた。
「ていうか七香、時山部長から二人で食事に誘われるほど、なにか接点あったっけ?」
久我くんも自分のビールをグビッと喉に流し込んだ後、視線を私に向けて小さく首を傾げた。
「うーん、接点と言っていいのかわからないんだけど。二ヶ月くらい前に審査部で飲み会があったみたいなのね。私、同期の女の子が審査部にいるんだけど、その日、飲みすぎで動けなくなったから車で迎えに来て、ってその子から電話があったんだ。慌てて迎えに行ったら、居酒屋の前で時山部長がその子をずっと介抱してくれてたの。その流れで、部長も私の車に一緒に乗ってもらって、お家まで送っていったことはあるよ」
記憶を辿りながらそう話すと、久我くんは「なるほどね」と頷いた。
「じゃあそれを機に、職場でそれまでよりも会話するようになった、って感じか」
「そうだと思う。といっても、時山部長は誰に対しても優しく話しかけてるから、私は特になにも感じていなかったんだけど。それにやっぱり、信じられない。あの時山部長が、私なんかを食事に誘うって……」
「いやいや。七香のことだから、真夜中に呼び出されても嫌な顔一つせずに即迎えに行ったんだろ? そういうところが良いって思ってくれたんじゃないか? それに、お前美人だし話しやすいし、ついでに仕事が出来るって本部の方でも評判だし。なにかキッカケがあれば、時山部長だろうと誰だろうと、お前のこと好きになってもおかしくないって」
美人とか、仕事ができるとか……。私なんかよりよっぽど顔立ちが整っている若手のエースの久我くんにそう言われると、酷くくすぐったくなってしまう。
「ていうか七香、時山部長から二人で食事に誘われるほど、なにか接点あったっけ?」
久我くんも自分のビールをグビッと喉に流し込んだ後、視線を私に向けて小さく首を傾げた。
「うーん、接点と言っていいのかわからないんだけど。二ヶ月くらい前に審査部で飲み会があったみたいなのね。私、同期の女の子が審査部にいるんだけど、その日、飲みすぎで動けなくなったから車で迎えに来て、ってその子から電話があったんだ。慌てて迎えに行ったら、居酒屋の前で時山部長がその子をずっと介抱してくれてたの。その流れで、部長も私の車に一緒に乗ってもらって、お家まで送っていったことはあるよ」
記憶を辿りながらそう話すと、久我くんは「なるほどね」と頷いた。
「じゃあそれを機に、職場でそれまでよりも会話するようになった、って感じか」
「そうだと思う。といっても、時山部長は誰に対しても優しく話しかけてるから、私は特になにも感じていなかったんだけど。それにやっぱり、信じられない。あの時山部長が、私なんかを食事に誘うって……」
「いやいや。七香のことだから、真夜中に呼び出されても嫌な顔一つせずに即迎えに行ったんだろ? そういうところが良いって思ってくれたんじゃないか? それに、お前美人だし話しやすいし、ついでに仕事が出来るって本部の方でも評判だし。なにかキッカケがあれば、時山部長だろうと誰だろうと、お前のこと好きになってもおかしくないって」
美人とか、仕事ができるとか……。私なんかよりよっぽど顔立ちが整っている若手のエースの久我くんにそう言われると、酷くくすぐったくなってしまう。