オフィスに彼氏が二人います⁉︎
「ん……」

瞼の裏が眩しい。もう朝かぁ。
目開けたくない。開けたら仕事行かなきゃいけない。


……あれ? 私、昨日の夜久我くんと飲んでたよね?
その後、どうやって家まで帰ったっけ?


目を開けずに、昨夜の記憶を辿っていくも、飲みすぎて気持ち悪くなったところまでの記憶しかない。


……もしかして、久我くんがタクシー乗せてくれたのかな。ああ、また彼に迷惑かけちゃった。


となると、いつまでもベッドの中で目も開けずにウダウダしてるわけにはいかない。さっさと起きて、出勤する前に久我くんにお詫びの品でも買っていかないと。


そんなことを思いながら目を開けると、


「……あれ?」

そこには、見慣れない白い天井が。

この毛布もベッドも、私のものじゃない? ていうか、どこを見渡しても私の部屋じゃない。


「ん……」

急に隣から誰かの声が聞こえて、ビクッと身体を震わす。

毛布で身体が隠れていて、声の主が誰かわからない。


いや、大丈夫だって。二十八年間真面目に生きてきた私に限ってそんな……。ふ、服も着てるし。


……でも服を着ているからって”なにもなかった”と断定できるのだろうか……。
しかもここ、誰かの家って感じじゃない。ホテルだ。それもビジネスホテルじゃなくて、ラ、ラブ……。

それに、さっきの低い声はほぼ間違いなく男性のものだ。ということは、私は昨夜、泥酔した挙句、どこかの男性とラブホに入ってしまったの……!?


モゾ、と布団の中で誰かが寝返りを打つ。

私は意を決して毛布を掴む。


えい!と心の中で叫びながら毛布をめくると、ベッドの中で気持ち良さそうに眠っていたのは久我くんだった。
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