オフィスに彼氏が二人います⁉︎
や、やっぱりと言うべき……!?
昨日一緒に飲んでいたのは久我くんだから、眠っているのは久我くんの可能性が一番高いとは思っていたけど……。


わ、私、久我くんとヤッちゃった!!?



「ん、寒……」

毛布がなくなった肌寒さからか、久我くんは小さく身震いした後、あくびをしながら上半身を起こす。


「あ、七香。おはよう」

「き……」

「ん?」

「……きゃあぁぁぁぁぁっ!!」

記憶がないせいで急にパニックになり、私は叫んだ。

久我くんとヤッたかもしれない。久我くんとヤッたかもしれない。

そう思ったら久我くんの顔を平常心で見ることなんてできない!

し、しかも久我くん、彼女いるのに……!


「どっ、どどどどうしよう私ってば……!」

「おい七香? 落ち着けって」

「はっ! そうだ!」

私は久我くんの言葉を無視して、ベッドの横に置かれたゴミ箱をひっくり返す。けど、なにも出てこない。ティッシュも、アレも、アレのゴミも、なにも。


ということは……。


「七香? なにゴミ箱なんか……って! おい、なに勘違いしてんだよ! なにもしてねーよ!」

「え?」

私の思考を遮るように、久我くんが叫ぶように指摘する。私が振り向くと、彼は真っ赤な顔で怒っていた。
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