オフィスに彼氏が二人います⁉︎
私は時山部長に頭を下げた。


食事に誘ってもらえたこと、すごくうれしい。
だけど、久我くんからの突然に告白にグラついてしまっているのも事実。
時山部長にはすごく憧れている。
だけど、まずは久我くんへの気持ちを確認しないといけないと思う。
こんな気持ちのまま、時山部長からのお誘いをOKしちゃいけないと感じた。


だから私は、「食事の件はお断りさせてください」と伝え、もう一度頭を下げる。



私がゆっくりと頭を上げると、時山部長はいつものにこやかな表情を崩さないまま、



「嵩元さんは、俺のことが嫌い?」



なんて聞いてきて……。




「きっ、嫌いだなんてそんなわけないです! む、むしろすごく尊敬していますし、その……!」

「じゃあ、行こうよ」

「で、でも……!」

「あ、二人きりじゃなければいいよね?」

「それはまあ……って、え?」

戸惑う私をよそに、時山部長はきょろきょろと誰かを探し始める。


するとちょうどエレベーターが到着する。

降りてきたのは、まさかの久我くん。しかも彼一人。

う、嘘でしょ。なんでこのタイミングで……!

私はかなり驚いたけど、彼も私たちを見て驚いていた。


すると、時山さんは突然。


「あ。君、営業課の久我くん、だよね?」

と、久我くんに声を掛けた。
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