オフィスに彼氏が二人います⁉︎
時山部長はスッと私の隣に立つと、ニコッと微笑みながら私に視線を向ける。
やっぱり、すごく美形……。しかも好みの顔なんだよねぇ……。思わずうっとりして、ドキドキしてしまう。
「あ、あの、時山部長……? 私の顔になにかついていますか……?」
「ん? いや、久しぶりに嵩元さんの顔見れたなと思って」
視線を向けられていることへの疑問の答えがまさかのそれで。深い意味なんてなにもないのはわかっているのに、思わず心の中で「キャーッ!」と叫んでしまう。
「先週、何度か営業店に足を運んだ時があったんだけど、嵩元さんの姿が見当たらなかったから」
「あ、先週はお休みをいただいていたので……」
「休み? 旅行とか?」
「い、いえ……」
彼氏にフラれたショックで胃腸炎になっていました、とは言えず、私は「体調不良で……」とだけ答えた。
すると時山部長は。
「体調不良? 今はもう大丈夫なの?」
妙に真剣な表情でそう尋ねてくれる。
誰もが憧れるスーパーハイスペック上司にそんなふうに心配され、私は「大丈夫です」と答えながら、つい照れてしまう。
「本当に? そういえば、顔が赤いように見える」
「えっ? いやこれは――」
あなたに照れているからです、とはもちろん言えるはずはなかったのだけれど、私の言葉を遮るように、突然、部長が大きな右手を私のおでこに充ててきた。
やっぱり、すごく美形……。しかも好みの顔なんだよねぇ……。思わずうっとりして、ドキドキしてしまう。
「あ、あの、時山部長……? 私の顔になにかついていますか……?」
「ん? いや、久しぶりに嵩元さんの顔見れたなと思って」
視線を向けられていることへの疑問の答えがまさかのそれで。深い意味なんてなにもないのはわかっているのに、思わず心の中で「キャーッ!」と叫んでしまう。
「先週、何度か営業店に足を運んだ時があったんだけど、嵩元さんの姿が見当たらなかったから」
「あ、先週はお休みをいただいていたので……」
「休み? 旅行とか?」
「い、いえ……」
彼氏にフラれたショックで胃腸炎になっていました、とは言えず、私は「体調不良で……」とだけ答えた。
すると時山部長は。
「体調不良? 今はもう大丈夫なの?」
妙に真剣な表情でそう尋ねてくれる。
誰もが憧れるスーパーハイスペック上司にそんなふうに心配され、私は「大丈夫です」と答えながら、つい照れてしまう。
「本当に? そういえば、顔が赤いように見える」
「えっ? いやこれは――」
あなたに照れているからです、とはもちろん言えるはずはなかったのだけれど、私の言葉を遮るように、突然、部長が大きな右手を私のおでこに充ててきた。