狼社長の溺愛から逃げられません!
 


「どうした?」

こみあげる動揺をこらえて顔をしかめて立ち尽くす私を見て、社長が首をかしげる。

「あ、えっと、只今お湯を沸かしている最中なので、もう少々お待ち下さい」

緊張しながら社長の前の床に正座してそう言うと、社長がうつむいて吹き出した。

「なんでお前そんなに挙動不審なんだよ。床に座らないで隣に座ればいいだろ」

肩をゆらしながらそう言ってこちらを見る。

「す、すいません。社長が私の部屋にいる光景が、現実味がなさすぎてちょっと戸惑ってます」
「なんだそれ。お前が強引に引き止めたんだろ」
「そうなんですけどっ」

笑いながら流し目でみつめられ、その色っぽさに耐えられず叫ぶように言った。

もう動揺する自分が恥ずかしくて、両手で顔を覆って身悶える。
社長が部屋にいるってだけで、こんなに緊張して舞い上がってしまうなんてバカみたいだ。


 
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