狼社長の溺愛から逃げられません!
「そういえば、あれからあいつが来たりしてないか?」
ぽつりとたずねられ、顔を上げる。
あいつって、努のことかな。そう思って社長を見るとじっとみつめられた。
「あ、はい。もうあれから一切連絡来てないです」
「そうか」
慌てて首を縦に振ると、社長が安心したように頷いた。
私のこと、心配していてくれたのかな。
あれだけ泣いて迷惑をかけてしまったから、気になるのは当然なのかもしれないけど、それでも社長が私のことを考えていてくれたんだなと胸が温かくなる。
「社長、本当にありがとうございました」
努に怒鳴ってくれたこと。泣いた私を慰めてくれたこと。無駄に傷つけないようにと浮気されていたことを隠そうとしてくれたこと。
全部全部嬉しかった。
「またあいつから連絡来たら、俺に言えよ。お前ひとりで会おうとすんなよ」
真剣な口調で言われ、正座した膝の上に手を置いてコクコクと首を縦に振る。