狼社長の溺愛から逃げられません!
「失礼します」と恐る恐る中に入ると、デスクに座った社長はこちらを見もせずに、応接セットのテーブルに置かれた書類を指差す。
「それ、シュレッダーにかけて捨てておけ」
突然呼びつけられたと思ったら、容赦なく雑用を押し付けられ、私は口をつぐんで鼻から息を吐き出す。
まぁ、下っ端の私が雑用をすることになんの文句もないけど、せめて顔くらい見て言ってほしい。
「はい」
ちょっとふてくされながら、テーブルの上に置かれた書類をホチキスで止められたもの、ファイルに入っているのも、クリップがついてるものと、ざっと整理する。
すると社長がデスクで仕事をしながらおもむろに口を開いた。
「この前、お前が作ったパブリシティの企画書読んだ」
突然そう言われ顔を上げると、社長がこちらを見ていた。
「面白いな」
短くそう言われ、思わずぱぁっと顔が明るくなる。
仕事のことで社長にほめられるなんてはじめてで、嬉しさのあまり少し動転しながら口を開いた。