狼社長の溺愛から逃げられません!
「しゃ……っ、んん」
社長、そう言おうとした唇はあっという間にふさがれて、代わりに甘い吐息がもれる。
舌先を絡められ、背筋が溶けてしまいそうになる。
とろんとして社長の顔を見上げると、目の前の形のいい眉に深いシワが寄っていた。
どうしたんだろう。そう思いながら小さく首をかしげると、社長は不機嫌そうに口を開く。
「なんか甘ったるい」
甘ったるいって何がだろう。そう思ってはっとする。
そういえばさっき、甘い香りのするリップグロスをつけたばかりだ。
「あ、古賀さんが韓国出張のおみやげにリップグロスをくれて。いちごジャムみたいな香りがするんですよ」
社長の膝の上に乗せられたまま慌ててそう言うと、うんざりしたように深いため息をつかれた。
「お前なぁ……」
するどい視線に睨まれ身をすくめると、大きな手で首筋を支えられまた乱暴にキスをされた。
「ん……っ」
「気にいらない」
社長がキスの合間にそうつぶやく。
気に入らないって、なにがだろう。