狼社長の溺愛から逃げられません!
 

「なにがあった」

いつもよりもゆっくりとした冷静な声でそう問われ、混乱していた自分を落ち着かせようと深呼吸をする。
吸って、吐いて。大きく三度深呼吸してから背筋を伸ばした。

「予定していたモデルさんが彼氏と別れてしまって、来られなくなってしまったんです」

そう言った私の横で、鳥谷部さんが頭を下げる。

「すいません。うちのモデルがこんなご迷惑を……」
「鳥谷部さん、とりあえずイベントまでにできることを考えましょう」

深く腰を折った鳥谷部さんに慌ててそう言って頭を上げてもらう。

「そのレナさん以外のモデルさんって呼べないの?」

宣伝部の保元部長の言葉に、鳥谷部さんが頷いた。

「今から急いで連絡すれば、誰かは呼べると思いますが」

そう言いかけた鳥谷部さんに、私は横で首を振る。

「『ルイーズ』を見たことがないモデルさんに来ていただいても……」
「意味がないですよね」

しょぼんと肩を下ろした鳥谷部さん。
つられてみんなの顔が暗くなる。


 
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