狼社長の溺愛から逃げられません!
自分にそう言い聞かせて、社長から視線をそらす。
すると、客席からこちらを見るお客さんたちの顔が見えた。
女の子たちがステージの上で踊る社長のことを、とろけたような表情で見ていた。
仕事ができてかっこよくて地位も名誉もある、王子様みたいな社長。こんなずるいくらいかっこいい人、みんな憧れるに決まってる。
ずきんと胸が痛んだとき、乱暴に腰を引き寄せられた。
おどろいて顔を上げると、社長が私をリードしながらまっすぐにみつめる。
「……よそ見するな」
耳元で、そうささやく。
「俺だけを見てろ」
命令口調でそう言ってから、社長がちいさく笑った。
その表情が愛おしくて、胸がさわぐ。
あぁ、もう。どうしていいのかわからないくらい、この人のことが好きだ。