狼社長の溺愛から逃げられません!
 

「ありがとうございます」とくずれるように座ると、みんな集まってきて褒めてくれた。

「イベント、どうなることかと思ったけど有川さんのおかげで無事終わってよかったよ」

そう言う保元部長に首を横に振る。

イベントが無事終わったのは、私じゃなく全て社長のおかげだ。
立っていられないくらい疲れ切った私とは対象的に、社長は平然とスタッフと話をしていた。

本当に、すごい人だと思う。

「少し休んでていいよ」

部長にそう言われ、頭を下げてから椅子の背もたれに体を預ける。


なんだか短い夢を見ていたみたいだ。
ステージの上でライトを浴びながら社長と踊ったこと。
耳元でささやかれた甘い言葉。
私を見つめる優しい視線。


たった今体験した出来事がとても信じられなくて、放心状態でぼんやりとしていると、いつの間にか隣にひとりの男の人がいた。

くせ毛気味の無造作な髪型に、カジュアルな服装。
私よりも少し年上の、丸顔で愛嬌のある雰囲気の男の人。

 
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