狼社長の溺愛から逃げられません!
 

すいませんと頭を下げているうちに引きずられるようにして、メイクや着替えをしたすぐそばの高級ホテルに連れて行かれる。

光の粒が降り注ぐような美しいシャンデリアが照らす豪華なロビーを通り抜ける。
フロントにいるスタッフに社長がちらりと目配せすると、それだけで恭しいお辞儀が返ってきた。

メイクをしてもらった着替えが置いてある部屋に行くんだろうと思っていると、ホテル内にあるレストランにつれていかれた。

白い上品な制服を着たウエイターさんに案内され、奥の個室に通される。
こんな高級なレストランの、しかもいかにも特別そうな個室のテーブルに案内されて戸惑う私の前で、社長は慣れた様子で席につく。

「社長……?」
「お前、今日はろくに食べる時間もなかっただろ」

そう言われ、アクシデント続きでお昼を食べ損ねほとんどなにも食べていなかったことを思い出す。

そういえば、お腹がぺこぺこだ。
そう思って向かいに座る社長を見ると、ウエイターさんから渡されたメニューを開いていた。

その様子を見ながら、こんなホテルで着飾って一緒に食事を出来るなんてまるでデートみたいだと、ひとりでドキドキしてしまう。

 
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