狼社長の溺愛から逃げられません!
からかわれてるだけだってわかってるのに、こんなに動揺してしまう自分が悔しい。
「どうした?」
社長がグラスをかたむけながら、小さく首をかしげる。
「なんだかものすごく甘やかされてる感じがして、落ち着かないです」
そう言うと、社長が小さく笑った。
「お前が頑張ったご褒美だから、今日は思いっきり甘やかしてやるよ」
そんな冗談を言いながら甘い視線で見つめられ、ますます落ち着かなくなってしまう。
だって、ふたりっきりでこんな素敵な場所で、そんなふうに優しく見つめられたら勘違いしてしまいそうだ。
ふわふわと浮足立った気分でグラスを持ち上げて口をつける。
照明を反射するほど磨かれた銀色のカトラリー。繊細なレリーフが刻まれた白磁の食器。そして運ばれてくる美しくて美味しい食事。
そのひとつひとつに感激する私を、社長は楽しげにながめていた。