狼社長の溺愛から逃げられません!
画面には知らない番号。
不思議に思っていると、古賀さんが「電話?」と聞いてきた。
頷いて「ちょっと出てきますね」と断って席を立つ。
一体だれからだろう。
友達とはほとんどSNSやメールで連絡を取るから、こうやって突然電話をかけてくる相手が思いつかなくて首をかしげる。
お店の出口のそばの通路で「もしもし」とスマホに耳を当てると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
『有川?』
そう耳元で名前を呼ばれ、目を見開く。
「しゃちょ……っ?」
驚いて大声を上げそうになり、慌てて手で口を覆う。
『なにひとりで叫んでんだよ。お前は相変わらず騒がしいな』
電話の向こうであきれたように笑われて、頬をふくらませる。
だって、海外にいる社長から突然電話がかかってきたら驚くに決まってる。
「なんで私の番号……」
社長に電話番号を教えた記憶はないのに、どうして知ってるんだろうと思ってつぶやくと、『バカか』と小さく笑われた。
『そんなの、調べたらすぐに分かるだろ』